臨床心理士のつぶやき その1

D.ボブ

2012年05月18日 11:31

病院(精神科)で子どもの保護者から実際にあった相談です。

『oo法人 (学校に行っていない)支援センター』
『oo法人 (障害名)支援センター』
『(障害名)支援協会』

というのところを見つけたので相談してみようと思うがどうか?というもの。

一見ちゃんとした専門家がやっていそうな名前ですよね。
念のためにインターネットで調べてみました。インターネット上の情報だけですべてが分かるわけではありませんが、そこで見る限りはどれも学術的な裏付けのある団体でもなく、代表者を調べてもそのページ以外での実績には専門家としての活動は大してなかったです。また全体的な記述も曖昧で「この人本当に分かっているの?というか素人?」と言いたくなる内容(ちなみに以前こういう団体を見かけたときには代表者がディプロマミル(学歴詐称)で外国の大学出身のooo博士と書いた人が多かったですね)。最近は巧妙で分かりづらいです。

また困っている人の不安をついた勧誘も増えています。子どものことで悩む親に対し、新興宗教、自然食品、スピリチュアルな団体が絡んでいるケースと出会うことも少なくありません。

今回の相談のように、すでに病院に掛かっていて色々と手を伸ばしてみるのならばよいかもしれませんが、最初におかしなところに相談に行っていたらと思うとぞっとしますね。

精神や心、生まれつきの特徴、不登校、社会適応等は非常にデリケートな問題です。身近なところでは現在全小中学校にスクールカウンセラーさんもおりますし、病院ではソーシャルワーカーさんも相談に乗ってくれます。まずは病院や公的機関(学校、公の相談機関、専門機関)、大学の付属相談室等、身元のしっかりしたところに掛かってみてはいかがでしょうか?

                                         (精神科勤務 臨床心理士)

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