2014年01月18日09:33
感染力強いノロウイルス 拡大防ぐには徹底消毒
カテゴリー │ニュース記事
(2011年1月18日) 【中日新聞】【朝刊】
【予防は「基本あるのみ」】
感染力の強いノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行している。感染すると激しい嘔吐(おうと)と下痢に襲われる。感染を広げないためには、多量のウイルスが含まれる嘔吐物や便の徹底的な処理・消毒が必要だ。詳しい方法をまとめた。(杉戸祐子)
【「嘔吐物は、その周りの床など半径2メートル程度を消毒する必要がある」】
東京都健康安全研究センターの神谷信行・疫学情報室長はこう説明する。同センターの対策チームが昨年9月にまとめた報告では、嘔吐物に見立てた物体を約1メートルの高さから落下させたところ、半径約2メートルの範囲に飛び散った。「嘔吐物が床に残って乾燥した場合、歩行するとウイルスが舞い上がり、新たな感染が起こる可能性がある」
ノロウイルスに感染すると急激な嘔吐や下痢、腹痛、発熱に襲われる。治療薬はなく、通常は数日で治るが、感染力が強く、感染を抑える努力が要る。便にも発症後3週間程度はウイルスが排せつされるので、継続的な注意が必要だ。
嘔吐物処理には、使い捨ての手袋とマスク、エプロンを着用する。ホームセンターなどで入手できる。普段使っている布製エプロンでもいいが、使用後に熱湯消毒する。
【嘔吐物、便は適切に処理】
同報告では、嘔吐すると「ウイルスを含んだ飛沫(ひまつ)が発生し、場合によっては1時間程度空気中に浮遊する」。神谷室長は「換気して室内の空気中のウイルスを排除して」と助言する。
消毒処理は塩素が基本。アルコールは効果が低いと考えられている。市販の次亜塩素酸ナトリウム溶液(商品名ピューラックス、ハイターなど)を0・1%に希釈して使う。原液濃度は商品で違うが5〜6%の場合、約10ミリリットルに水500〜600ミリリットルを加える。
嘔吐場所がフローリング床などの場合、(1)布やペーパータオルなどで外側から内側に向けて拭き取る。汚れた面を内側に折り込み、同じ面を使わない(2)消毒液を染み込ませたペーパータオルなどで覆い消毒(3)水拭き(4)手洗い。使用したペーパータオルなどはビニール袋に入れて処分する=イラスト。袋の中に同じ消毒液を加えて消毒する。
汚れた衣類は、消毒液につけるなどのほかに熱湯消毒もできる(素材に注意)。85度1分間または50度以上30分間の加熱が必要で、薄地の衣類は熱湯を回しかけ、念を入れたい場合は1分間煮沸する。部分的な汚れならアイロンによる消毒も可能だ。1カ所あたり2分程度当てる。
カーペットや布団などに嘔吐した場合も床と処理手順は同じ。嘔吐物は床面ほどきれいに除去できないが、消毒をしっかり行えばウイルスは死滅させられる。ただ、消毒液の塩素でカーペットなどは変色する可能性もある。変色を避けるのなら、専門業者に依頼する必要がある。対策チームが行った、熱湯やアイロン、布団乾燥機で加熱する処理実験では、いずれも加熱が不十分だった。
便で汚れた場所や物への対処法も同じだ。下痢症状のある人がいる場合、トイレのドアノブなども消毒液で消毒する。
国立感染症研究所感染症情報センターの最新情報によると、昨年12月中旬1週間に全国の小児科約3千施設に寄せられた、ノロウイルスを含む感染性胃腸炎の発症報告数は約5万6千人。同10月中旬から増加の一途をたどっている。
予防は手洗いだ。ハンドソープなどを使い入念に洗う。神谷室長は「基本の徹底あるのみ。手洗いを習慣づけて」と呼び掛ける。
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20110119144755033

今回の集団食中毒は大変でしたね。ノロにはアルコールも効かず、感染力も非常に強いとのこと。これを機に、嘔吐物、排泄物の正しい処理を覚えておきましょう。
【予防は「基本あるのみ」】
感染力の強いノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行している。感染すると激しい嘔吐(おうと)と下痢に襲われる。感染を広げないためには、多量のウイルスが含まれる嘔吐物や便の徹底的な処理・消毒が必要だ。詳しい方法をまとめた。(杉戸祐子)
【「嘔吐物は、その周りの床など半径2メートル程度を消毒する必要がある」】
東京都健康安全研究センターの神谷信行・疫学情報室長はこう説明する。同センターの対策チームが昨年9月にまとめた報告では、嘔吐物に見立てた物体を約1メートルの高さから落下させたところ、半径約2メートルの範囲に飛び散った。「嘔吐物が床に残って乾燥した場合、歩行するとウイルスが舞い上がり、新たな感染が起こる可能性がある」
ノロウイルスに感染すると急激な嘔吐や下痢、腹痛、発熱に襲われる。治療薬はなく、通常は数日で治るが、感染力が強く、感染を抑える努力が要る。便にも発症後3週間程度はウイルスが排せつされるので、継続的な注意が必要だ。
嘔吐物処理には、使い捨ての手袋とマスク、エプロンを着用する。ホームセンターなどで入手できる。普段使っている布製エプロンでもいいが、使用後に熱湯消毒する。
【嘔吐物、便は適切に処理】
同報告では、嘔吐すると「ウイルスを含んだ飛沫(ひまつ)が発生し、場合によっては1時間程度空気中に浮遊する」。神谷室長は「換気して室内の空気中のウイルスを排除して」と助言する。
消毒処理は塩素が基本。アルコールは効果が低いと考えられている。市販の次亜塩素酸ナトリウム溶液(商品名ピューラックス、ハイターなど)を0・1%に希釈して使う。原液濃度は商品で違うが5〜6%の場合、約10ミリリットルに水500〜600ミリリットルを加える。
嘔吐場所がフローリング床などの場合、(1)布やペーパータオルなどで外側から内側に向けて拭き取る。汚れた面を内側に折り込み、同じ面を使わない(2)消毒液を染み込ませたペーパータオルなどで覆い消毒(3)水拭き(4)手洗い。使用したペーパータオルなどはビニール袋に入れて処分する=イラスト。袋の中に同じ消毒液を加えて消毒する。
汚れた衣類は、消毒液につけるなどのほかに熱湯消毒もできる(素材に注意)。85度1分間または50度以上30分間の加熱が必要で、薄地の衣類は熱湯を回しかけ、念を入れたい場合は1分間煮沸する。部分的な汚れならアイロンによる消毒も可能だ。1カ所あたり2分程度当てる。
カーペットや布団などに嘔吐した場合も床と処理手順は同じ。嘔吐物は床面ほどきれいに除去できないが、消毒をしっかり行えばウイルスは死滅させられる。ただ、消毒液の塩素でカーペットなどは変色する可能性もある。変色を避けるのなら、専門業者に依頼する必要がある。対策チームが行った、熱湯やアイロン、布団乾燥機で加熱する処理実験では、いずれも加熱が不十分だった。
便で汚れた場所や物への対処法も同じだ。下痢症状のある人がいる場合、トイレのドアノブなども消毒液で消毒する。
国立感染症研究所感染症情報センターの最新情報によると、昨年12月中旬1週間に全国の小児科約3千施設に寄せられた、ノロウイルスを含む感染性胃腸炎の発症報告数は約5万6千人。同10月中旬から増加の一途をたどっている。
予防は手洗いだ。ハンドソープなどを使い入念に洗う。神谷室長は「基本の徹底あるのみ。手洗いを習慣づけて」と呼び掛ける。
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20110119144755033

今回の集団食中毒は大変でしたね。ノロにはアルコールも効かず、感染力も非常に強いとのこと。これを機に、嘔吐物、排泄物の正しい処理を覚えておきましょう。